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Guide to Basilico

PART1

along Waltva River

ワルタヴァ河畔にて

37

雨缶

「どうだい。君も」
そう尋ね、すぐには否定しない友人を見て、これは了解の表現と受け取ったカンパリは先を続けた。
「3日後にポルタ橋係留所に集合。時間は10時」
思わずといった感じで窓を向いたままのドノバンがうなづいてしまう。
「ほかにリュイくんが来るかもしれない。ステパン氏も誘ったんだが、彼は次の公演の打ち合わせがあるみたいで」
その時、相変わらず窓に視線を向けたままの、ドノバンがいった。
「雨だ」
「降ってきた?」
「ぽつぽつとね。雨缶(あめかん)は?」
「そっちの本箱の下。それ」
ドノバンは見つけた雨缶を手にすると店の入り口の方に向かった。
菜人には雨が降ると缶を屋外に置いて雨水をためる習慣がある。といってもすべての 家で守られているわけではなく、主に商店で続いている習慣であるが。

椅子